京都報告03
今回は京都駅より南側のエリアと伏見区、宇治市。 過去記事:京都報告01 02
御香宮神社は伏見区の中心市街地である桃山御陵駅・伏見桃山駅のすぐ近くにある神社。鳥羽伏見の戦いでは薩摩郡の本陣になったそうな。 境内には数学の問題が2題書かれた算額があった。 この算額に関する解説は日本数学史学会近畿支部会誌「和算」の第10号に掲載されている。 現代語訳は次のとおりである(「和算」第10号より引用)。
1問目
直形(長方形)に内接する三斜(不等辺三角形)があり、大斜(a)、中斜(b)、小斜(c)の三辺はいずれも幾数(既知数)。また横(洋算とは逆、x)の7乗から縦(y)の5乗w引いた差も幾数(d)である。(x7-y5=d)さて、横と縦の長さを求めよ。
2問目
甲、乙、丙3つの平方(正方形)がある。各平方の平積(面積)の和が幾数(a)。(x2+y2+z2=a)甲方面(甲の一辺、x)の3乗根と乙方面(乙の一辺、y)の5乗根、、丙方面(丙の一辺、z)の7乗根も幾数(b)。( ) また、甲方面と乙方面の差と乙方面と丙方面の差は等しい。(y-x=z-y)さて、甲、乙、丙各方面を求めよ。
立式は簡単だが、根号と累乗のせいで式変形が非常に煩雑で、問1では28次方程式、問2では70次方程式を導き、それらの式を解かなければならない。当然これらの式は解けないので、解き方を示せれば算額としては正解だそうだ(しかしこのような高次連立方程式を和算ではどのように記述したのだろう)。
東福寺の境内は大混雑。
椿・灯篭・紅葉・松が窓から見えるインスタ民に人気が出そうなスポット。
7月、祇園祭の裏で行われる本宮祭。祇園祭も行っているけど、個人的には本宮祭の方が好き。
夏の薄暗い稲荷山はなんとも言えない不思議な空間。 山登りの中腹からは伏見が良く見渡せる。 ちなみに山頂からは何も見えないので注意。
ここから宇治に突入。まずは藤原氏の繁栄を象徴する建物であり、世界遺産である平等院。鳳凰堂自体はそれほど大きくないが、ミュージアムが充実していて、そちらのほうが見ごたえがある。
平等院のすぐ近くを流れる宇治川では毎年鵜飼が行われており、それに使う鵜が育てられている。
響け!ユーフォニアムにも登場した宇治神社。鳥居は2018年の台風で崩壊したため再建中(画像は2017年)。
宇治上神社は現存最古(1060年建立)の神社建築であり、世界遺産(法隆寺は世界最古の木造建築/仏教建築)。画像は覆堂であり、この中に菟道稚郎子命、応神天皇、仁徳天皇を祀る3つの本殿がある。菟道稚郎子命と仁徳天皇は応神天皇の息子。菟道稚郎子命は仁徳天皇に皇位継承権を譲るために自害しており、宇治神社の方でも菟道稚郎子命が祀られている。 菟道はウジと読み、宇治の古い書き方。三室戸駅周辺残る莵道地区やユーフォの舞台である北宇治高校のモデルである府立莵道高校など現在も地名として残っているが、読み方はトドウ。
宇治川の上流に少し歩くと見えてくるのが興聖寺。寺に伸びる琴坂がきれい。
今回はここまで。