つづら折り

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第13回折紙探偵団 名古屋コンベンションレポート

書くの何年ぶりだよっていうくらい久しぶりの折紙コンベンションレポート。 足を運んだのはいつもおなじみの東洋大学...じゃなくて東京大学...でもなく、名古屋芸術大学! 2008年以降、夏の東京コンベンションにしか参加していなかった私も、ついに地方コンベンションに参加してきました。

さてさて、初参加の地方コンベンションは東海友の会主催の名古屋コンベンション。東海友の会と言えば折り紙キッズや若手創作家の多さやスカイワードあさひでの展示会など、近年特に活気のある折り紙団体というイメージが強い。このような期待に加え、私がコロナに罹って東京コンベンションに行けず悔しい思いをしていたこともあり、名古屋コンベンションが告知されるなり、躊躇せず申し込みとホテルの予約を行った。

1日目

会場は北名古屋市にある名古屋芸術大学西キャンパス。一日目早朝に東京の家を出て新幹線で名古屋へ。名鉄名古屋駅のカオスな行先案内に翻弄されつつも会場最寄りの徳重・名古屋芸大駅に何とかたどり着き、そこからさらに徒歩20分。土地勘の無さと会場までの移動時間の長さという東京コンベンションにはない要素が二つも重なり、会場到着時にはすでに少し疲労がたまっていた。

正門にはコンベンションの小さな案内が

ささっと受付で参加登録を済ませ全体会会場に行くと、なんと広大折り紙サークル元メンバーの渡部君と再会。大学院修了後、一切連絡を取っていなかったし、就職した地方も別でもう一生会わないかと思っていたから本当にびっくりした。こういう昔折り紙でつながった人と偶然再会するのも対面イベントの良いところですな。

全体講演会

全体講演会の講演者はスペシャルゲストで韓国の若手創作家のJang Yong-Ikさん。子供の頃から長い間折紙作家になることを夢てデザイン系の大学にまで進学したが、折紙で食べていくことは難しいと判断し、本職の傍らOrigami Proのメンバーとして折り紙活動をしているというお話だった。折り紙一本で生活できなかったことを単に残念に思わず、「程よい距離感で楽しめている」とおっしゃっていたのがとても印象的だった。

Yong-IkさんのPuffer Fish

Yong-IkさんのWolf.

お昼ご飯は萩原元さん、仮pさん、渡部君と一緒に少し歩いて牛タン屋へ。お店選びしたりしてたら講習に少し遅れてしまった...

講習1コマ目 オニオオハシ(Tommyさん)

各自折図を読み進めるタイプの講習にならないように

  1. おまけのフクロウの折図
  2. オニオオハシの講習
  3. オニオオハシの折図配布

の順で進められる、工夫された講習だった。 自分が折図講習をすると実質自習になりがちなので、このような工夫は参考にしていきたい。

講習2コマ目 バナナ(冨永さん)

作品の難易度自体は低いものの受講者にやたらベテラン勢・創作勢が多くなんとも不思議な講習だった。何が玄人を引き付けたのだろう...。ちなみに私はバナナを繋げて房にできる点に惹かれた。

講習3,4コマ目 サイ(稲吉さん)

実際は1時間ちょっとで完成するサイとおまけのグッピーの講習。必要最小限の構造で肩の肉や頭部などを表現している点に紙の扱いの上手さを感じた。

一日目講習作品

懇親会~

講習終了後、外をふら付いていると仮pさんにつかまり、村木さん(母)が車に乗せてくださるとのことで一緒に車で栄の懇親会会場に移動。ここで初めて大阪の高萩さんにお会いする。

懇親会のテーブルは神谷さんと前川さんと一緒という謎豪華テーブル。まさに知りたかったAffinity Designerの話を神谷さんから直接聞けたのが非常に良かった。

南島さん企画のグループ対抗ゲームはいろいろな材質の正方形を使った折り鶴早折り対決。私がちんたら35cm折り紙を折っている間に神谷さんが滑り止めシートとランドセルの革で綺麗に折り鶴を完成させてて驚く。こんなところにも実力差が表れるとは。。。

折り鶴の素材は35cm折り紙、ランドセルの革、滑り止めシート、セロファン、厚紙、ウレタンシート

懇親会終了後は適当に若手で集まって世界の山ちゃんへ。酒と疲れで何を話したかあまり良く覚えていない。23時過ぎに解散。

2日目

前日の疲れがたまっており、寝坊。名芸大駅から歩いていては講習受付間に合わなさそうだったので、西春駅からタクシーで会場入り。

講習1,2コマ目:「正八面体スケルトン四個の連結」あるいは「干渉する六枚の長方形」(長山さん)

まず目を引くのが、このやけに長いタイトル。それもそのはず、この作品は毎日新しいユニット作品を創作し続ける「毎日新作ユニット」(この講習時点で225日連続記録更新中)という狂気の企画の期間中に誕生した作品で、名前をいちいち考える余裕がなかったというのが理由だそうだ。

作品自体は2種類計18個のパーツからなるユニット作品で、組み方がぱっと見よくわからないパズルのような作品。試行錯誤しながらなんとか時間以内に完成。

ちなみにこの講習は折紙指導員の審査対象で、最後にアンケートを書かされた。特に審査員らしい人はいなかったし、審査基準はアンケートの結果が100%なんだろうか...?

展示

昨日の反省からコンビニで買ってきたおにぎりをさっさと食べ、展示会場へ。 展示スペースは8個の長テーブルで、東京コンベンションと比べては小規模な様子。事前申し込みも不要で当日展示品を置けばよいだけだったので、例年これぐらいの展示数に収まるとわかっているのかもしれない。

展示会場

mojalionさんのガン〇ム。ガン〇ムへの愛を感じる..

長山さんの星座。これは折りたくなるユニット作品。何の紙を使っているのかも気になる。

すけさんのイチゴのタルト。これを見ていたおば様方が「作者はスイーツが好きなのかねえ」と話していた

よりしろうさんの某読み上げソフトのキャラクター。作者は会場でこれの被り物をしていた。

川畑さんの折り紙レリーフ:鷲。展開図も鷲のまんまで面白い。

苅谷さんにピラニア。これは複合でないとできないデザイン。

私もちょっとだけ展示しました1
私もちょっとだけ展示しました2

講習に行く前に有澤君に遭遇し、近況を聞く。

講習3コマ目:ジャック・オー・ランタン3(亀井さん)

3コマ目は正三角形から折るJack-o'-Lantern。末尾の3の数字はバージョン番号で、1,2は亀井さんが創作を始めた初期の作品と東海若手による合作だそう。

正三角形の上の1カドを頭部に割り当てて、底辺側が顔を取り囲むような構造だった。顔を取り囲ませる立体化が意外と難しかった。

講習4,5コマ目:二式水上戦闘機(南島さん)

昔コンベンションで受けたイージス艦が難しかったので、今回も難しいんだろうなあと思って受けたら案の定、隠れ★5講習だった。

私の中にはなんとなくコンプレックス系の飛行機はホイル紙で折るものという印象があり、24cmホイルで折っていたのだが、折線の山谷を変える作業や沈め折など途中で紙を開く工程が多く、折線が集中した角に穴が開いてしまった。セロハンテープを持って行って予め養生すべきだった。 他にも展示作品回収のために途中退出した都合で工程を見失うなどのトラブルがありつつも何とか完成。久しぶりについていくのがやっとな感覚を味わった。

二日目講習作品

閉会式~

最後は大会場に集まってコンテストの発表も兼ねた閉会式。コンテストの優勝はザキさんのゴリラ。その後山口さん、韓国のグループとの飲み会に参加し、コンベンションの全工程が終了。

東海友の会の皆さん、運営お疲れさまでした。久しぶりの対面コンベンションで非常に楽しかったです。また会おう!